去る5月14日、名古屋市瑞穂区で竣工した幼稚園の落成式を執り行いました。
園舎の一部を作る一期工事から始まり、旧園舎を取り壊し二期工事と進み、完成を迎えるまで1年5か月の工事でしたが、無事に竣工を迎えました。
このブログでは、落成式の模様をお伝えします。
本題に入る前に一般的に建て替え工事の際、特に個人住宅でお仏壇を移動する際は「魂抜き、魂入れ」を行います。地域や宗派によっては「閉眼供養、開眼供養」とも言うそうです。
今回はお仏壇ではなく、お社の移動がありました。
現理事長の祖父が建立されたもので、屋根中央左の傷は戦争中に受けた焼夷弾の爆撃跡だそうです。現在、平穏に生活できる事の感謝を忘れない様に、あえてこの傷は修理をせずにいます。今回の落成式ではこのお社に神様をお戻しする儀式も執り行いました。神道では「御霊戻しの儀」と言います。
この儀の時は会場の照明を落とし、夜中の演出を行いました。
伊勢神宮で20年に一度行われる式年遷宮が夜に行われるのは、御神体の移動を見せない為や秘儀としての性格が強いという意味合いがあるそうです。
落成式が終わってから園児達が入場し、斎主から落成式の意味を分かりやすくお話いただきました。万物には神様が宿るという神道の考え方、この幼稚園の神様はこのお社ですよ、というお話を園児達が真剣に聞いている姿が印象的でした。
建築企画室 松岡