こんにちは。建築企画室の倉地です。皆さんGWは満喫されましたか?
私はウィーンとブダペストへ行ってきました。
4月上旬に急遽GWの予定が空いた為、日数的にもアジア圏を出られそうだと思い、行ったことのないヨーロッパの2カ国を選びました。(本当はチェコにも行きたかったのですが、航空券が高すぎて断念しました。)
実際に現地へ行って感じたのは、「美しい建築を見た」というより、“当時の権力や貴族文化のスケール”でした。写真では何度も見ていたはずなのに、現地に立つと空気感もサイズ感も全く違います。
ちなみに、一日平均23,000歩。それはビールもワインも美味しく感じる訳でした。
■ 5/3 ウィーン

ウィーン滞在は実質1日しか無かった為、早朝にホテルを出てベルヴェデーレ宮殿へ向かいました。18世紀初頭に建てられたバロック建築らしく、左右対称の構成や庭園まで含めて、“権力を見せる為の建築”という印象でした。ただ、クリムトの《接吻》がある上宮のチケットはPMしか取れず、急遽予定を変更して美術史美術館へ向かいました。

19世紀末に建てられたルネサンス・リヴァイヴァル様式の建築で、建物に入って最初に感じたのは、「展示物より先に建築に圧倒される」ということでした。大階段、吹き抜け、天井装飾。“空間そのもの”が権力を表現しているように感じました。美術史美術館では《バベルの塔》も鑑賞しました。宗教や権力が絶対だった時代に、“人間の傲慢さ”を描いた作品が残っているのが面白く、少し反骨的というか、権力への皮肉にも見えました。



その後は、14世紀頃に現在の姿となったゴシック建築のシュテファン大聖堂、18世紀のバロック建築であるカールス教会へ。ウィーンの街は歴史的建築が密集しているのに、不思議と圧迫感が少なく、道路幅や広場との距離感まで含めて、街全体で景観が整えられているように感じました。

その後、PMのチケットを取っていたベルヴェデーレ宮殿へ戻り、クリムトの《接吻》を鑑賞しました。写真や映像では何度も見ていた作品でしたが、実物はサイズ感や金の質感が全く違いました。ナポレオンの絵なども、“教科書で見たままの絵”が本当に目の前にある感覚で、不思議な気分でした。




一旦ホテルへ戻り、夜のオーケストラ鑑賞の為に少し服装を整えた後、18世紀建築のオーストリア国立図書館やモーツァルト像へ立ち寄りました。図書館は、本を保管する場所というより、“知を権力として見せる空間”という印象でした。

その後は、1870年完成のウィーン楽友協会 黄金のホールへ。《四季》のコンサートを鑑賞しました。ネオクラシカル様式らしく、豪華なのに嫌味がなく、音楽を聴くための空間そのものが完成されていました。
■ 5/4 ハルシュタット・ザルツブルク
この日は現地ツアーでハルシュタットとザルツブルクへ。隣の席はメキシコから来た女性で、去年は日本にも来ていたらしく、私は相変わらずカタコト英語でしたが、ビールの話で少し仲良くなりました。

ハルシュタットは、まさに絶景でした。
ただ、景色以上に印象的だったのは、山肌に張り付くように建つ家々でした。自然の中に建物があるというより、自然と建物が一体化している感覚でした。

ザルツブルクでは、『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台となった庭園を散策しました。17〜18世紀のバロック建築が多く、歴史的建築を残しながら観光都市として成立しているのが印象的でした。
■ 5/5 ブダペスト



早朝の列車でブダペストへ移動。ホテルにearly check inし、まず向かったのは聖イシュトヴァーン大聖堂でした。ハンガリー建国の礎を築いた初代国王“イシュトヴァーン1世”の名を冠する大聖堂で、19世紀後半から20世紀初頭にかけて建設されたそうです。実際に目の前に立つと、その年月にも納得するスケール感でした。内部は大理石や金装飾が惜しみなく使われていますが、どこか柔らかい色味で統一されていて、重厚感の中にも品があります。特に、天井へ向かって視線が抜けていく感覚は圧倒的でした。屋上までの階段はかなり大変でしたが、登った先にはドナウ川を中心に広がるブダペストの街並み。歴史的建築が今も街の中心として残り続けている景色は、日本ではなかなか見られない光景でした。
その後は、19世紀末建築の中央市場へ。外観は可愛らしいですが、中はかなり複雑に入り組んでいて面白かったです。
そこから橋を渡って、ブダ城、漁夫の砦へ。ブダ城は13世紀に始まり、その後バロック様式へ改修されていったそう。漁夫の砦は20世紀初頭に建てられたネオロマネスク様式の建築で、中世の要塞のように見えますが、実は比較的新しい建築です。“景色を美しく見せる為の建築”という感じで、ドナウ川越しに見る国会議事堂との景色が圧巻でした。
疲労困憊で一度ホテルへ戻り仮眠した後、ナイトクルーズへ。そこで見た1904年完成のネオゴシック建築、ハンガリー国会議事堂は、今回の旅で最も衝撃を受けた建築の一つでした。

写真はかなり見ていたはずなのに、実際に見るとスケール感が全く違います。“国家の威信を建築で見せる”という思想が、今でもそのまま残っているように感じました。
ちなみに内部見学チケットは完全sold out。ここは本当に日本で事前予約推奨です。クリムトも同じで、“見たいものは先に押さえる”というのは、ヨーロッパ旅行でかなり大事だと思いました。
■ 5/6 温泉と帰国



最終日は、1913年完成のネオ・バロック建築、セーチェーニ温泉へ。日本の“静かな温泉”というより、巨大な社交場という感じで、まさに『テルマエ・ロマエ』の世界観でした。その後は、1896年完成の英雄広場へ立ち寄り、フォアグラを食べて帰国。
カードで払うと、ユーロは190円近く。正直、美術館や教会の入場料は想像以上でした。それでも、「行けるうちに」「やれるうちに」「それが存在するうちに」見ておきたかったと思っています。
気付いたらかなり長いブログになっていました。それだけ現地で見たものの情報量とスケール感が凄かったのだと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
