こんにちは、建築企画室の森口です。先日、お休みを利用して表参道と赤坂、そして幡ヶ谷周辺を歩いてきました。
といっても、私の場合のメインは食べること。その道すがら、気になっていたミュージアムをはしごするという、欲張りな休日散歩です。
街を歩いていても「ここの空間の使い方が素敵だな」とか「周囲の緑との馴染み方がいいな」といったところに、目が向くようになりました。そんな視点も含めた、街歩きの記録をお届けします。

まずは根津美術館へ。開館85周年の特別展『光琳派』で、国宝「燕子花図屏風」の鮮やかな色彩に触れた後、そのまま庭園へ向かいました。

新緑の光が水面に映り込み、木々の間からやわらかく光が差し込む風景は、どこか《燕子花図》の世界とも重なるようでした。

建築・庭園・展示、それぞれが独立するのではなく、一つの体験として丁寧につながっている。建築の美しさはもちろんですが、建物と庭園が一体となって作り出すこの「静寂」こそが、訪れる人を癒やす価値なのだとしみじみ感じました。その空気感そのものが、根津美術館の魅力なのだと思います。

その後は代々木の森へ移動して、明治神宮ミュージアムへ。
ここで初めて知って驚いたのが、明治神宮を包むあの広大な杜が、実は100年前に全国から集められた木々で造られた「人工林」だということでした。

100年後の姿を見据えて人の手で植えられた森が、今や天然の森のように豊かな生態系を育んでいる。その「未来を構想する力の大きさ」に、深い感銘を受けました。
たっぷり歩いてお腹が空いたところで、赤坂へと足を伸ばし、気になっていたカフェへ。草月会館の2階にある「Connel Coffee」です。

この建物は、丹下健三氏が手掛けたもの。そして、カフェのすぐ目の前にはイサム・ノグチ氏が手掛けた石庭「天国」が広がっています。丹下健三氏の力強い建築と、イサム・ノグチ氏の静かな石庭。この場所が歩んできた華やかな文化の足跡が、今のカフェ空間にも心地よい緊張感と安らぎを与えてくれているように感じました。

根津の庭園も、明治神宮の杜も、そして街角のカフェも。すべては誰かの想いによって作られ、手入れされ、次の時代へと引き継がれてきたものです。
建築もまた、単に新しいものをつくるだけではなく、その土地に流れてきた時間や文化、人々の記憶を受け継ぎながら未来へつないでいくもの。
私たちの仕事も、突き詰めれば「誰かの大切な記憶が積み重なっていく場所」を作ることなのだと思います。新しい建物を作るだけでなく、その土地が持つ物語や100年先の未来をどう大切にしていけるか。
……などと、少し真面目なことも考えつつ。
実はこの旅のハイライトは、幡ヶ谷の「Sunday Bake Shop」で食べたクリームティ。

外はサクサク、中はふんわりとしたスコーンに、たっぷりのクリーム。この絶妙な相性に夢中になってしまい……、今すぐにでも食べたい……。
美しい建築に触れ、街の歴史に思いを馳せ、そして最高に美味しいお菓子に出会う。
心もお腹も満たされる、初夏の東京散歩となりました。
最後にお知らせをひとつ。

当社が設計施工を手掛けたテナントビル「coco totono」の1階に、わんちゃんと一緒に入れるカフェ「Lien chouchou(リァン・シュシュ)」が5月15日(金)にオープンしました。
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新しく生まれたこの場所も、いつか誰かにとっての「心地よい記憶」として積み重なっていってくれたら嬉しいな、と思います。
お近くの方は、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。
